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不動産投資で必要な「確定申告」 その種類と必要な書類についてご説明します

2020.01.23

前回の記事では、不動産投資をする上で必要な「確定申告」について、その概要をご説明しました。
今回は、その申告方法や必要な書類についてご説明します。

「青色申告」と「白色申告」の違いは?

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類の申告方法があります。どちらを選ぶかによって、手続き上の手間や必要書類などに違いが出てきます。
「青色申告」と「白色申告」の違いとは、一体どのようなものなのでしょうか。

厳密な手続きが求められる分、メリットが多い「青色申告」

確定申告を青色申告で行うには、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。
青色申告では、簡易(単式)簿記または複式簿記のいずれかの形式により帳簿を作成する義務が課せられます。後ほどご説明しますが、65万円の特別控除を受けるためには、複式簿記で帳簿を作成する必要があります。
このように、青色申告は手続きがやや煩雑ですが、その代わりに多くのメリットがあります。代表的なものは、次のとおりです。

【青色申告のメリット】

◆65万円の特別控除が受けられる
青色申告の大きなメリットとして、申告をするだけで、特別控除が受けられることが挙げられます。
控除額は、帳簿を複式簿記により付けている場合は65万円、簡易簿記による場合は10万円です。
ただし、不動産所得で65万円の特別控除を受けるには、賃貸用物件をおおむね10室以上、またはおおむね5棟以上所有している(いわゆる「5棟10室基準」を満たす)という「事業的規模」により、賃貸住宅経営を行っていることが必要です。

◆赤字を3年間繰り越すことが可能
青色申告では、赤字になってしまっても、その損失額を翌年以降3年間にわたり各年分の所得から差し引いて相殺することができます。
例えば、1年目に100万円の赤字、2年目も50万円の赤字で、3年目に200万円の黒字になった場合、所得税を支払う3年目の年に、持ち越している赤字分(150万円)を所得から差し引くことができますので、節税につながります。

◆家族への給与を全額必要経費にできる
賃貸住宅経営が事業的規模で行われ、その事業に従事する生計を同一にする家族(配偶者など)がいる場合、青色事業専従者として、支払う給与を全額必要経費にすることができます。

手続きが簡単な「白色申告」

白色申告は、事前に税務署へ届け出る必要はありません。
また、白色申告でも、帳簿の作成が義務づけられていますが、簡易簿記でよいため、記帳は比較的簡単です。申告に必要な書類の作成も、後述するように、シンプルです。

事業的規模で賃貸住宅経営を行っている場合、白色申告者は、家族らに実際に給与を支払っていなくても、申告書に事業専従者であることを記載するだけで、事業専従者控除額として一定額を必要経費に算入することができます。ただし、控除額に上限が設けられており、青色申告と比べると、節税効果の面で劣ります。

一方で、白色申告は、青色申告のような特別控除を受けることができない点がデメリットです。
さらに、赤字を繰り越すことはできません。このため、赤字の年度が続いて黒字に転換できた場合や、赤字と黒字を繰り返している場合などには、青色申告よりも多くの税金を支払う羽目になります。
なお、「5棟10室基準」を満たしていない「業務的規模」の場合は、青色申告をしても享受できるメリットは限定的なため、白色申告が一般的です。

確定申告に必要な書類

不動産所得のあるオーナーは、「申告書B(第一表と第二表)」を必ず提出し、青色申告で確定申告をする場合は「青色申告決算書」、白色申告をする場合は「収支内訳書」をそれぞれ提出する必要があります。

「申告書B」(申告者全員が提出)の記載内容

「申告書B」は、原則として第一表と第二表を使用し、申告をする人全員が記入し提出します。
第一表には各所得金額、所得控除、税額計算の金額を記入し、第二表には、第一表に記入すべき金額の内訳を記入します。
「申告書B」のPDFデータはこちら(国税庁公式ホームページ)

「青色申告決算書(不動産所得用)」(青色申告者が提出)の記載内容

青色申告を選んだ人は、「青色申告決算書」を使用します。これは、両面に記載する用紙が2枚の合計4ページで構成されています。
各ページの記載項目とその内容を以下に示します。

■1ページ目
「損益計算書」です。1年間の家賃収入や更新料などの収入金額と、固定資産税、管理手数料などの経費(支出金額)を集計し、所得金額を算出します。

■2ページ目
損益計算書に記入する金額のうち、「不動産所得の収入」「給料賃金」「専従者給与」の項目についての詳しい内訳を書きます。
「不動産所得の収入の内訳」の欄には、貸付不動産の所在地、賃借人の住所・氏名、賃貸契約期間、1年間の収入金額(賃貸料、礼金や更新料、その他)、保証金や敷金などを記入します。

なお、従業員および事業専従者がいる場合にのみ、それぞれ「給料賃金の内訳」「専従者給与の内訳」の欄に、年間の給料・賞与、源泉徴収税額などを記入します。

■3ページ目
損益計算書への記載金額のうち、「減価償却費」「借入金利子」などの項目について、その内訳を記入します。ここで、「借入金利子の内訳」の欄は、親族や会社からの借入金など、金融機関以外の借入金の利子がある場合に限り記入します。

■4ページ目
「貸借対照表」です。期首(1月1日または事業開始日)および期末(12月31日または事業廃業日)の財産の内訳を記入します。
65万円の青色申告特別控除を受ける場合には、貸借対照表を記載する必要があります。
「青色申告決算書(不動産所得用)」のPDFデータはこちら(国税庁公式ホームページ)

 

「収支内訳書(不動産所得用)」(白色申告者が提出)の記載内容

「収支内訳書」は、白色申告者をする人が使用し、全2ページ(両面に記載する用紙が1枚)で構成されています。
各ページの記載項目とその内容は、次のとおりです。

■1ページ目
左半分は「損益計算書」です。
右半分は、損益計算書に記入する金額のうち「不動産所得の収入」「給料賃金」の項目についての詳しい内訳、および「事業専従者の氏名等」を書く欄です。
これらの記載内容は、青色申告決算書とほとんど変わりません。

■2ページ目
損益計算書への記載金額のうち、「減価償却費」「借入金利子」「修繕費」などの項目について、その内訳を記入します。
加えて、「貸付不動産の保有状況」の欄には、貸付不動産の用途・種類などに応じて、空室の有無に関係なく、棟数や室数などを記します。
「収支内訳書(不動産所得用)」のPDFデータはこちら(国税庁公式ホームページ)

 

まとめ

今回は、白色申告と青色申告について、ご説明してきました。両者の違いは大体イメージできたかと思います。
白色申告は、青色申告と比べて、手続きの手間はかかりません。
最近では、会計ソフトなどを使えば、複式簿記による帳簿作成がスムーズにできるようになりました。このようなことから、青色申告についても、検討の余地があるといえそうです。

 

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